テレビに出れなかった話
こんばんは。
実はこの前ひょんなことからテレビに出れそうになりました。
しかしやっぱり出れなかったのでその顛末でも書こうかと思います。
それは一本のメールから始まった…
「突然のメールなんちゃらかんちゃら。○○テレビで××という番組を制作している田中(仮)と申します。このたびこのような企画を行うことになり、このような趣味を持っている人たちを探しています。そこで貴サークルにもぜひご協力いただけないかと連絡を差し上げた次第で…」
要するに僕が所属している大学のサークルに連絡が来たわけですね。
歴史が浅いサークルなんですが、年に何回かこういったメールを受け取ることがあります。ニッチなサークルなんでしょうね。今までは都合が悪かったり、先輩が出たりだったのですが、今回は下の代の都合が悪く就活が終わって暇な(そして留年して暇な)僕たちが面白半分に話を聞くことになりました。
撮影日前日、某ファミレスで面通しが行われました。一応テレビに出ていいコミュ力と顔面を持っているかチェックされるようです。僕を含め4年生3人で向かうことになったので、番組の方に会う1時間ほど前に集合して作戦会議が行われました。
「実際どうだと思う?」
「メールのやり取り見てる感じだと釣りってことはないだろうけど…」
「でもメールから撮影日まで近すぎるしどっかに断わられたんだろうね」
「まぁこのファミレスの会計は持ってくれるだろうしいいじゃん?」
3人とも半信半疑でした。
「こんにちはー!」
やってきたのはやたら元気のいい男性と女性でした。テレビ業界で働いてそうなノリだなぁと感じます。自己紹介や趣味歴などを聞かれます。1人喋りたがりがいるのでそいつに応対を任せていると、
「君はこれの何が好きなの?」
油断していたところに話が振られました。若干焦りながらも絞り出すと、
「あんまり熱中しているわけではないのかな?」
見抜かれましたね。多分3人で一番熱が薄いのが僕でした。
その後好きなテレビ番組の話やら留年した話やらをしました。好きな番組ではうまいことそのテレビ局の番組出したなぁと一人満足していましたが、フリーのディレクターとおそらく制作会社の方だったのであまり関係なかったかもしれません。留年の話は少し盛り上がりました。就職するのがかったるくて留年したっていう話は最近の僕の鉄板ネタです。採用試験の面接でも通用するでしょうか。
無事お会計を持ってもらい、その日は解散となりました。
夜、ぜひ今日の3人で明日来てほしいというメールが届きました。とりあえず面接は通ったようです。しかし気になる文面が同時に届いていました。
「ロケの進み具合や、収録のお店の具合によっては待機していただくことになるかもしれません」
翌日。気持ち早めに起きてシャワーを浴び、気持ち丁寧に髪をブローしました。天パの僕はブローをミスると外に出たくなくなります。しかしこの日はそこそこ上手になりました。
当日は都内某駅の近くにあるお店で収録を行うということだったので、集合時間の1時間ほど前にその駅に着きました。
適当に時間をつぶし、集合場所に向かいます。するとそこでADっぽい人がいるので声をかけてみます。
「○○って番組の方ですか?」
「あっ、○○のADの▲▲です。少し他の場所でのロケが押しているのでファミレスで待っていてもらえますか?」
この時点でちょっと怪しさを感じました。
しばらくすると僕の友人たちも到着したので会議が行われます。
「この流れ…怪しくない?」
「ちょっと微妙だよね、覚悟しておこうか」
「まぁでもここの会計は出してもらえるでしょ」
ドリンクバーで時間をつぶします。
すると前日会ったディレクターの方が挨拶に来ました。
「すいません、遅れているので1時間くらい遅くなりそうです!」
テレビ業界ってのも大概時間通りにいかなそうだなぁと感じます。
待つこと1時間。
ADの方が僕たちを呼びにきました。
「すいません、お店の方に移動してもらっていいですか」
おお流れなかったか、と安心と驚きを感じつつお店まで向かいます。
お店の前につき、いよいよ入れるか、と思ったところで再び待機させられます。ここまで来たらもう特に疑ってはいませんでした。しかし…
「すいません、やっぱりもう少し待機していただくので…」
ここまで来てか、と思いました。特に怒りとかはありませんでしたが、どんな段取りなんだろうなぁと。
お店ではしばしADの方と話します。小さいころからテレビっ子だった、好きな芸人の方に会えるのが嬉しい、週休2日とか定時帰りとかなんなんだろう…テレビを愛している人じゃないとやっていけないだろうなぁと感じるお話です。
そして再び待つこと1時間ほど。
再びディレクターの方がやってきました。
「すいません!今日の収録は遅くなってしまうので後日スタッフで行うことになりました…」
凄い申し訳なさそうだったのと、僕たちの方にも多分そうなるだろうな、という予感があったこともあり、素直に受け入れることができました。ご飯のお金は出していただけるということで、デザートまでしっかり食べていきました。流石に経費だろうと思いましたが万が一もあるなぁということで常識的な値段になりました。
お店を出るとADの方、ディレクターの方に再び謝られ、そんなに謝られても僕たちも困るなぁ…というくらいでした。
そして僕たちは反省会も兼ねて居酒屋へ向かったのでした。
こんな感じでした。
それほど出たいわけではありませんでしたが、なんでもやってみよう主義の僕としてはいい経験だなぁと思ったので少し残念でした。あ、あと話せるはずだった芸能人が割と誰でも知ってるし熱狂的なファンもいるレベルの方だったので、せっかくならあってみたかったですね。
しかしまぁ、これもいい経験でしたし、テレビ業界、特に制作会社のADなんかは大変そうだなぁということを実感できました。ディレクターになれば比較的時間が自由らしいですけどね。
では